和紙の世界は思っている以上に奥が深い
こちらの動画は「Great Big Story」が公開した「Making the Thinnest Sheet of Paper in the World」です。
高知県の伝統工芸品である土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)の特徴・歴史・生産の過程について紹介されています。
英語圏の方に向けて英語のテロップも入っています。
日本の伝統文化の一つである和紙。
一枚の紙を作るためには原料の選び方から製法までさまざまなこだわりが詰まっています。
高知県で作られている土佐典具帖紙(てんぐじょうし)も数ある和紙の一つです。
名前を初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
この動画とこちらの記事を機に日本文化を勉強したいと感じて頂けたら幸いです。
日本より長く伝わる和紙についてまとめた動画
動画では0:45でご覧になれるように土佐典具帖紙の生産に携わっている方達が紹介されているのも特徴的。
多くの方が土佐典具帖紙を作るのに関わっているのが分かります。
こちらの動画で土佐典具帖紙について説明をされているのは、ひだか和紙有限会社の社長、鎮西寛旨(ちんぜいひろよし)氏。
動画内でモノづくりに対して責任感を持ち、誰にもできないことにチャレンジしていると語っています。
土佐典具帖紙とは
土佐典具帖紙は高知県のひだか和紙有限会社で作られている特殊な和紙です。
原料の楮(こうぞ)の繊維の直径は0.002ミリ。
世界で最も薄い和紙なのです。
土佐典具帖紙の重さは1平方メートル当たり1.6グラム。
畳半分ほどの大きさで1円玉2つ分よりも軽いという驚きの紙。
土佐典具帖紙のルーツ
土佐典具帖紙は生産に必要なノウハウが代々受け継がれ、現在に至ります。
土佐典具帖紙のルーツは土佐ではなく、17世紀ごろに美濃(現在の岐阜県)で生産されていた「薄美濃」が元になったと言われています。
土佐典具帖紙の誕生は明治中期。
その当時の高知県は包装紙・コーヒーのろ過紙・タイプライター用紙などを欧米に輸出できるだけの生産力を身に付けていました。
ひだか和紙有限会社はロール状の商品が欲しいというニーズに応え、機械化・OEM生産に力を入れるようになります。
土佐典具帖紙ができるまでの過程
まずは楮(こうぞ)を農家から仕入れます。
細かい繊維状に砕くために楮を煮ます。
砕いた楮を水とねりを混ぜ合わせ、シート状にすれば完成。
できあがった紙は透明感が高く、長い繊維で形成されていて強度があり、しなやかな点が特徴に挙げられます。
土佐典具帖紙はどこで使われているか
写真:東京国立博物館
人によっては土佐典具帖紙がどこで使われているか気になっているのではないでしょうか?
実はいろいろな場所で土佐典具帖紙が使われています。
国立公文書館・東京国立博物館・大英博物館がその一例です。
劣化した展示物の修復や保護が目的です。
土佐典具帖紙は日本国内だけでなく、イギリスなどの海外にも活躍の場を広げています。
世界に認められた技術、用紙と言えるでしょう。
鎮西寛旨氏曰く、修復対象物に合わせた和紙を求めて世界中から問い合わせが来ているとのこと。
そのニーズに応えるため、天然繊維だけを用いる・修復対象物に合わせた色で原料段階から染めるなどの工夫が土佐典具帖紙の中に詰まっています。
土佐典具帖紙その他の情報紹介
ひだか和紙有限会社は典具帖紙の生産だけでなく、納品後のアフターケアを徹底しているのも特徴的です。
使用方法の説明を丁寧に行うことも世界から信頼を寄せられている理由の一つに挙げられます。
土佐典具帖紙は通販サイトでも販売されているので、気に入ったものがあれば購入を検討してはいかがでしょうか?
土佐典具帖紙紹介まとめ
1949年に創業されたひだか和紙有限会社は土佐典具帖紙を生産する上で原料選びから仕上げまでの工程を徹底しています。
完成した土佐典具帖紙は国立図書館や博物館などに役立っており、人によっては典具帖紙が使われた物を一度は目にしているかもしれません。
動画でご覧になれるように和紙の世界は皆さんが思っている以上に奥が深いのです。
和紙づくりを専門に行っているひだか和紙有限会社が今後どのような活躍をするか注目したいところ。
【公式ホームページ】ひだか和紙有限会社
https://www.hidakawashi.com/jp/index.php
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